瓦礫4



16.ソーンパス オールマイティー




主要惑星の殆どで放送されるソーンパスの収録が始まっていた。


コダック「はーい、みなさま こんばんわ! ソーンパス•オールマイティーの時間がやってまいりました。司会は私、コダック•サエコウ、アシスタントはコイズミー•マリン、ゲストにBrussels軍L&P連隊 総司令官レオン•セシール大尉とその部下というか犬、ルフィー•オリジン曹長をお迎えして ギャラクシー社と茨の道機構の提供でお送りしたいと思います」


歓声 ぱふぱふーー📣


マリン「はい、アシスタントのマリンです。今日は一日雨でしたね」


コダック「は? グリーンパレスでは、これから夜桜祭りするんですよ、雨なわけ無いでしょう」


マリン「 桜も散ってますよ」


コダック「 桜が散る?なんて縁起でもない、まったく訳の分からないことしか言わないコイズミーさんですよ💦

さあ、気を取り直して!

どーもこんばんわ🎶  レオン•セシール大尉、今日はお忙しい中、お越しいただいて有難うございます」


レオン「 はじめまして💕  

眩しく輝く美しさ♥目を奪われる者数知れず!身を滅ぼす者人知れず🤣 罪な美少女 レオン•セシールです☺どーぞ、よろしく」


マリン「ひゃー!身を滅ぼすのは困りますが、😍😍😍お会いできて光栄ですぅ〜 」


コダック「はい、レオン様もさることながら、私は昔からルフィー曹長の大ファンでございます💕」


ルフィー「 あん♪ おれの?」


コダック「進撃軍の若き英雄!トップエース ストライカーの  ルフィーさま☺ チームでは大型旗艦2隻、巡洋艦3隻、 個人記録ではミッションハイスコア320機撃墜、まさに空のライヴ ウェポン!クラッシャーキング! その異名にふさわしくグレイトな戦歴に情熱の赤い瞳と輝く笑顔💕  きゃぁ〜!、ルフィー曹長かっこよすぎですぅ🎶 」


歓声と拍手ひゅーひゅー


ルフィー「 ああ、まぁな。オレ様にかかれば金魚だろうとブルゥ だろうとちょろいもんだ🎶 尻を掴んで、一匹残らず皆殺しだぜ!」


気分良くポージング!


コダック「ルフィー様、尻好きですね!私もです💕  素敵です☺ビリビリきますぅ 」


レオン「うふふ!そんな下品すぎちゃうのはどうかしら 」


パコっん!


持ってきたPVファイルでルフィーの頭をなぐる


ルフィー「 テッ 」


マリン「あ、それですね!ロット&ブラッセル協同企画 お洒落プラネット第一弾♥」


レオン「ええ、そう!今日のソーンパス用に、さっき制作された出来たてホヤホヤのプロモーションムービーなんでーす」


司会のコダックに差し出された


コダック「 ワイホー!それは楽しみです💕 誰かこのPV

パネルに入れて〜 早く流して〜🎶」


マリン「わぁ♥ドキドキ!  L&Pミリシア外人部隊のレイラさんは出演してないんですかぁ😍😍😍」


レオン「 あら、マリンさん、うちの部隊に詳しいのね」


コダック「レオン大尉 ご存知ないんですか? プリスタインのM-F企画からL&P主力メンバーのプロモーションビデオやトレカ、ポスターに缶バッチ、他 いろんなグッズが出てるんですよ〰」


マリン「 そうそう💕 ルフィー曹長がキングなら、レイラ様はゴッドですよ〜✨✨

あ〰もうあのレイラ様のクールな眼差し😍💕 竜裂刀《サケベア》で切られたい〰」


ルフィーが ギャハハハとそこらを叩いて笑い転げる


コダック「今回はお二人の為に番組のスタッフが色々と入手してきましたよ!どーぞ☺💕」


ガラガラ〜とワゴンが登場!

ルフィーとレオンは目を丸くして興味津々だ


マリン「どうです?どうです?色んなものがあるでしょう💕」


ミレイユのトレカを見つけて固まるルフィー


ルフィー「…。(か、可愛い💕)」(〃∇〃)


コダック「あ、どーぞ。お土産に持って帰ってください!  」


ルフィー「えっ、いいのか?」


コダック「どーぞ、どーぞ」


ルフィー「 なにソーンパス最高だぜ🎶   …って、こんときのミレイユって…。まてよ、どーしてこんな写真撮れてんだよ💢 」


急に怪しんで怒るルフィーだが、ミレイユのトレカは離さない。


マリン「💦そりゃぁ、戦場カメラマンやパパラッチとか、まぁ色々潜んでね、いますからねぇ、知らんけど(^_^;) 」


ルフィー「なにぃ〜!ストーカーじゃねぇかっ」

俺様のミレイユをぉ


コダック「まあまあ、でもほら、そうでなかったら、こんなかわゆいミレイユさんは手に入らないわけですから、だんな 」


コダック、マコト風に こそっと耳打ちする


ルフィー「う、うん、そうか」

トレカを見つめるルフィー


レオン「ロットや プリスタインのCPポップアイドルやアクターたちのモノが色々あるのは知ってたけど、うちが出てるとは初耳だわ〜」


感心して眺め回す、レオンの瞳はすっかり銭化している


コダック「はいっっ、そうです!画王のロングホース【戦場の華】でも視聴回数半端ないですからね。今  本当 人気急上昇中L&Pのみなさんですよ☺💕  さて、今日は その中のいくつか、まず最新のロットワイラーと協同企画オシャレプラネットについて、たっぷりとお話を伺っていきたい思います☺」


レオン「はぁい!まずは、ときめきと安らぎを兼ね備えた究極の総合リゾート施設、近日オープンのボトルパラダイスについてご紹介したいと思います♥ 」


レオンの声がだんだん遠のいていく、ルフィーの耳にはもう何も聞こえない。


ルフィー「…。」


パネルウィンドウの映像がドドーーンと流れてきたからだ


___


パラメールの雄大な海と山々、夕日に照らし出される、きらめくツインタワーのボトルパラダイスの全貌。


浜辺には2つの小さな影。

波打ち際で戯れるユーリと美しすぎるミレイユ。


カメラは、ミレイユの史上最高の笑顔をとらえていた。


恋する乙女の表情は切なく眩しい、二人は見つめ合い、両手が絡み合う。


今にもキスをしそうな、その唇が何かをささやき合う


恋人同士の愛の言霊


耳を潜めても聞こえはしない


ミレイユがぱっとこちらに振り向いて口を開く


まるで盗み見している者たちがドキッとするような視線。


『ロットとブラッセル、その友好と絆の形は今ここに集結♥

あなたへ贈る!

ハイグレードリゾート空間✨

究極の癒やしと胸を踊らすトキメキのエンターテイメント!

ボトルパラダイスはあなたの期待を決して裏切りません💕』


カメラはボトルパラダイスの中へと突き進む


ホテル、カジノ、グルメ、ショッピング、スパ、アート、etc


パラメール統合型リゾート施設煌めくボトルパラダイスを駆け抜けてゆく


制作  お洒落プラネット企画




━━━━━━━━━━━━━



17.花の下で集おう



ジェドロ シャトル小艇がグリーンパレスに降り立つとゲートが開き、ステップが地上へと下がってくる


クレイン「 私はお年寄りを先導するから、レイラ、みんなをお願い 」


レイラ「 ?  」


この私がか?という訝しげな表情をするが声には出さない。


後ろを振り返ると、村人たちはピューレの木々を見つめ、口々に賛美の声をあげている


そんな村人の姿を見ながらクレインは口を開く。


クレイン「 こんな事で、とても心の傷が癒せるとは思わないが少しでも穏やかな時間を過ごしてもらえたらいいと思う。あなたも優しい対応をね!」


レイラ「…💧 ああ、わかった」


子供たちはレイラとクレインの間をすり抜け、光るイルミネーションに向かって駆け降りてゆく



オブジェ「  クレイン!   村の人達をお連れしたんだね  」


急いでかけつけたオブジェの声は感激に満ち溢れている



クレイン「オブジェ、来てくれたの、助かるわ💦 」


オブジェ「 ああ、共にご案内しよう(*^^*)、みなさん、よくぞ!お越し頂き感謝です。足元に気をつけて、さぁ、つかまって下さい、どうぞ☺ 」


老人に差し出すオブジェの大きな手は優しさに満ち溢れていて安心感があるのだろうか。


不思議と人々はオブジェに集まってゆく


さすが、泉だ、とレイラ


レイラ「 ふっ」


大役はオブジェに任せて、自分はさっさと退散しようとステップデッキを降りてゆくレイラだが、何か違和感が…と振り返る


プリステル「…。♪」


少女が小さな手でレイラの服を握って、にっこり。


キラキラ光るピューレの木を指さした


レイラ「 なんだ💧」

プリステル「あれ、あれ、」



ダダダーーっ!ハァハァ


荒い息と土を蹴る足音


物凄い勢いでキラが現れたのだ


少女は驚いてレイラの後ろに隠れていまう


キラ「ハァ、ハァ、ハァ」


ぶんぶんぶんぶん、大きな尻尾をふりまくる


レイラは微動だにせず


レイラ「 犬、なにしにきた 」

プリステル「犬」


恐る恐る顔を出す少女の頬をキラはペロンと舐めて、大きな口を開けてニヤリと笑う


キラ「ハァハァ、くーーん」


プリステル「 犬、かわいい 」



『 おーい 』『プリステル』


向こうの方から、手を振る子供たちが少女を呼んでいる


レイラ「…。呼んでるぞ、いけ」


 促《うなが》しても少女は、レイラの服の端をギュッと掴んだまま離さない


プリステル「 きれい、光ってる 」


キラキラ揺れるボールライトを指差す


キラ「 わん!わん!わん!」


レイラ「…💧 私にどうしろと言うんだ 」


仕方なくゆっくり歩くレイラでした。



____



ミヨシ「ユキヒョウ、キラいないよ 」


テーブルの方では、キラのいない事に気づいてキョロキョロするミヨシと、沢山のご馳走を前にモリモリ食べるユキホがいた。


ユキホ「ん〜? オレ、ちょっと食うのに忙しい💦  」


ミヨシ「また肉ばっかり、野菜も食べなきゃ。あっちに緑のもの あったから、とってきてあげるよ🎶」


ユキホ「オレ、みどりのもんいらん」


ミヨシ「じゃなんか、ナスみたいなのあるから」


ユキホ「ナスもいらねぇ 」



楽しそうにやっていますね(^_^;)



ハチ「なんだい、邪魔くさいね、どきな 」


走り回る子供を追い払うハチ


スキャルバ「ハチっ、向こうで飲もうぜ、パラ公共がくせぇーからよぉ !ひゃっはっはっはっ」


ハチ「 ああ。ん?なんだい?あれ、犬とガキと連れ立って…?大丈夫かい? 」


眉を寄せ目を細めて、何度も見直すハチ。


マコト「や〜、リュウちゃん、ウケる🤣」


犬と子供に連れられて歩くレイラの姿は、非常に珍しい動物を見るのと変わらない、一気に注目が集まる


スズカ「 私も驚いたわよっ!あの残虐非道と言われる黒い氷河がよ、犬と子供と一緒に登場ですって〜、あはははは」


手を叩いて、指差しながら笑うスズカの様子は明らかに自分の事だと分かるレイラ


ムッとしています。


スズカは涙まで流してます


マコト「あれ?お宅、一人?」


スズカ「 そう。収録が長引くといけないから、先に行っとけって💧 終わるまで待ってるっていったんだけど💦 私が、お花見が楽しみって言い過ぎたせいか、レオンに気を使わせたかもしれないわ 」


マコト「 ま、いいじゃない。ルフィーちゃんいれば心配いらないっしょ。何飲む?お花見、楽しもうじゃないですか、お嬢さん」


マコトに見つめられ、ポッとなるスズカです。




━━━━━━━━━━━━━



18.解放軍の思い




ジヒキンの山岳地に潜む解放軍の数は 続々と増えていた。


キウパラのGOサインで、いつでも襲撃できると手ぐすね引いて待ち構えるパラメリアンは轟々といきり立っている。


またも紛争が勃発してしまうのか!


のどかな夜桜祭りは、血の祭りへと変貌を遂げるのか!



キウパラ「 そんなことは この私が許さない!同志たちよ、よく見るのだ!我々の兄弟姉妹がピューレの木を囲み、穏やかなひとときを過ごしている!

宿敵ブラッセル軍と言えど、パラメールにそれを与える者に敬意を払いたい!」


同志たちのコックピットへ、キウパラの声が響く


ファージ「 …💦しかしキウパラ」


ファージたち、同志らはざわめく


ニック「キウパラの言葉が聞こえただろう!オレだって、奴らを許せないっ、だがカプルはダメだ!」


いさめるニックたちの前に、エアウィンドウが開く


シギア『 だまれ!ニック。おい、キウパラ このところ負け続きだっ、キャブラキーナの開放も叶わぬまま、我々は厳しい状況に追い込まれているっ。理想だけでは母星は救えん!  成果を出さねば、いずれお前をそこから引きずり下ろすことになるだろう!』


そう言って激しくなじるシギアにニックは怒りをあらわにする



ニック「💢 なんだと!誰に向かってほざくか!キウパラに無礼な口を聞くんじゃないっ 」


ブゴォォォォオオオ!


ニックのイーアス変形型戦闘マシンが唸り声を上げたが、キウパラがそれを制す


キウパラ「 よせ!ブルたちに気づかれる、動くなっ ニック!」



ニック「…💧 うう〜」


シギア『 いいか、よーく、考えるんだな、キウパラっ! 行くぞっっ 』


エアウィンドウは消えて、シギア派は山の中へと消えていった


キウパラ「 …。」


キウパラは眉を寄せ、苦い表情をする


ニック「 ふん、老いぼれが。偉そうに!」


ニックのイーアスは太い木の枝をバキッと折った。


キウパラ「 キーナが私を次の指導者に選んだ時、シギアは異議を唱え、反対していた。それは今も変わらない。何一つ達成できていないのだから、当たり前ですね 」


キウパラの美しい横顔が曇る


ニック「 キウパラ 🥺」


キウパラ「だが…今はその時ではない 」


グリーンパレスを見下ろすキウパラ。


ピューレの木は夜風に揺れて、花びらが人々の頭上に舞う。


楽しそうに過ごす人々の姿はキウパラに何を思わせるのか。


シギアは、元首領キャブラ•キーナの右腕だった。

彼を慕い従う者も少なくはない。対立していても決して争うわけではないが、一致団結しているわけでもなかった。